CassandraとSEDAのアーキテクチャの対応関係

Cassandraで、SEDAのアーキテクチャをどのように実装しているかを調べてみました。SEDA対応部分は、concurrent.utilのお陰でとてもシンプルな実装でわかりやすいですね。
https://svn.apache.org/repos/asf/incubator/cassandra/trunk/

以下、概要です。

SEDA Stageに対応するもの

以下の二つ

  • Event queue + Thread Pool
    • StageManagerで定義されているThread Pool Executor
  • application handler
    • MessagingServiceに登録されているVerbHandler

SEDA Resource controller

  • SEDA Thread pool controller
    • StageManagerにあたる。ただ、動的なリソース管理はしていない。
  • Cassandraで定義されているStage (StageManager)
   public final static String READ_STAGE = "ROW-READ-STAGE";
    public final static String MUTATION_STAGE = "ROW-MUTATION-STAGE";
    public final static String STREAM_STAGE = "STREAM-STAGE";
    public final static String GOSSIP_STAGE = "GS";
    public static final String RESPONSE_STAGE = "RESPONSE-STAGE";
    public final static String AE_SERVICE_STAGE = "AE-SERVICE-STAGE";
    private static final String LOADBALANCE_STAGE = "LOAD-BALANCER-STAGE";

メッセージ配送処理

メッセージ配送の主要ロジック

MessagingServiceのrecieveメソッドからがメッセージ配送処理の肝。以下が概要。

  • MessagingServiceは、Messageのタイプをみて、Stageを取得
  • StageをStageManagerから取得して、メッセージ配送タスクに処理を委譲
  • メッセージ配送タスクでは、メッセージのverbにしたがって、verbHandlerを取得して、VerbHandlerを実行
  • VerbHandler中で処理を実行(doVerb)して、MessagingServiceでメッセージ配送(sendOneWayで)
メッセージ送信部分

こちらもMessagingServiceで。

  • sendRRでmessage送信するときに、taskCompletion_に突っ込んでおいて、sendOnewayでメッセージを非同期送信。
  • Futureパターンで、getAsyncResultメソッドでメッセージ受け取り。TcpConnectionのpoolからTcpConnectionを取得して、データ送信。
メッセージの送信
  • データの送信はTCP
  • 制御は、UDP

所感

SEDA対応部分の実装は、java.util.concurrentのパワーのお陰でとてもシンプルな実装でわかりやすいなと。

他に思ったのは、APIサーバーは、SEDAモデルと相性がいいかもなぁと。Stageが1個だけでいいケースも割と多そうなので、ステージを分割する意味がでるケースがどれだけあるかは少し微妙かもしれないけど。ただ、SEDAのアーキテクチャ的には、1個のステージでもいいわけで、汎用のAPIサーバーを作りたければ、SEDAのアーキテクチャは面白いかもなぁと思いました。

cassandraの実装を見て、concurrent.utilとNIO系のフレームワークを組み合わせて、SEDAのアーキテクチャをベースにして、APIサーバーを作れば、割と現実的なものができそうだなぁと思ったのでした。コード的にはさほど量を書かなくても書けそうです。

# SEDA部分意外も実装として面白そうなので、読みすすめようかなと思ってます。