Software Engineerにお勧めの技術書

人に聞かれることも増えてきた昨今ですが、お勧めする本は毎年そう変わりはしないのでまとめてみました。言語に依存する本は、書き出すと多くなってしまうので除いてます。

コンピュータサイエンス関連のおすすめ本

Computer Architecture

大規模なシステムを組む場合、高い性能を要求される場合、省リソースが求められるケースなどは、特に低レイヤへの理解の必要性を実感することになります。
下のレイヤを深く理解しておかなければ、このようなシステムのアーキテクチャデザインやトラブルシューティングは実質できません。

/高性能コンピュータ技術の基礎

    • 最新のプロセッサのアーキテクチャがどのようになっているのかを丁寧に解説しており、最近のプロセッサの全体像を把握するのに役立ちます。
OS/Linux Kernel
Algorithm/Data Structure

設計関連のおすすめ本

Software Architecture

と合わせて読みたい。Architectureという分類に入れるべきかは微妙なところもありますが...

Software Architectureを考える上で、Computer ArchitectureやArchitecture Patternだけではないというのは、企業で物作りをしている方は感じることがあると思います。以下の本は、Software Architectureをどのような視点で評価するのかということに対して、大局観を与えてくれるものです。

Design Pattern

GoFのパターン本以外にも読んでおくべきパターン本はあり、特にConcurrencyに関連する以下の本はおすすめです。

/ 増補改訂版 Java言語で学ぶデザインパターン入門 マルチスレッド編
/ Java並行処理プログラミング ―その「基盤」と「最新API」を究める―

Testabilityの高いDesignをするための本

Robert C MartinシリーズとMartin Fowlerシリーズを読んでおくのがおすすめです。

, 実装パターン

OOA/D
Developer Testing
System Design (Scalability)

Scalabilityという切り口でまとめるのがよいか微妙なところもありますが、Web系システムのScalabilityに関しては、
以下の本がおすすめです。

Webシステムのデザインであれば、上記の本を読むのでも十分得られることはあると思います。
この分野は類書は数多くありますが、幾つか上記の本を読んだら、分散システム, OS, Database関連の本やHPCの分野の論文などを良く読んだほうがよいです。

DB Design

データベースは、システム開発をする上では避けて通ることのできない分野です。DBはOSとStorageに強く依存しているため、DBのArchitectureだけでなく、ストレージ/OSのアーキテクチャも良く理解しておく必要があります。

データモデリングは、OOA/D と同じくかなり癖のある分野で、これがベストであるといいきれる本はないのですが、以下の本は総じておすすめではないかと思います。ある程度読んだら、キーとなるドメインの知識獲得のほうを大事にしたほうがよいです。

/達人に学ぶ SQL徹底指南書 (CodeZine BOOKS)

      • セルコさんのSQL本。ミックさんの本も系統は似ていて、DBアーキテクチャというよりも、「SQL」を学ぶための本。Webシステム系の人というよりも業務よりの人の方が向いているかもしれません。
  • その他
    • データベース・リファクタリング
      • 若干粒度が細かいといえば細かいのですが、類書はなく一回読んでおいて損はないです。DBエンジニアの人にとっては当たり前なことも多いかもしれないんですが、AP開発者の人がDB設計を改善する際には役に立つと思います。
System Administration

以下の本は、純粋な運用に関する話ではなく、死活監視、測定、配備といった最近のDevOpsに求められる分野を網羅的にまとめている良書です。DevOpsの人だけでなく、AP開発者の人もAPを作る上で運用が可能なアプリケーションとはどのようなものなのかを意識するのにも役立つのではないかと思います。運用も含めた全体のシステムデザインが、昨今の大規模なクラスタではとても重要です。特に、クラウドインフラが増えていき少数のエンジニアがその上でアプリケーションを開発するようになっていく時代には、AP開発者であってもインフラの基礎知識を持っておくことが今後より重要になっていくでしょう。

Software Engineering系のおすすめ本

Agile

Agileの本は色々でていますが、基本的にはMike CohnとJames O. Coplienの本を読んでおけば大体間違いないです。
僕の場合は、Scrumをベースにした開発プロセスで大体のプロジェクトは進めています。

人間系
  • ワインバーグの本一式。
    • 人への深い洞察は、今読んでも得られるものが多いです。デマルコの本などもよいですが、ワインバーグシリーズが個人的には好きです。

# Amazonへのリンクが欲しいというコメントがありましたので、リンクを追加しておきました。和書が出ているものは、和書のほうにリンクを張りました。