読書について
とある方にショウペンハウエルの「読書について」をお勧めされたのですが、この「読書について」は、思索をする全ての人にお薦めできる本です。本書は、読書・学習と思索の違いを明確に意識し書かれた本で、情報技術の進化に伴って、ただ上辺の知識だけを調べることなら誰もができるようになってしまった現代にこそ、この本を読むことで得られるものがあるのではないかと思います。
第一章から一部を引用します。何か感じるものがある人は是非読んでみてください。必ず得られるものはあるのではないかと思います。
数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効用はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であれば優れた効果をおさめるが、知識の場合も事情は全く同様である。いかに多量にかき集めても、自分で考えぬいた知識でなければその価値は疑問で、量では断然見劣りしても、いくども考え抜いた知識であればその価値ははるかに高い。何か一つのことを知り、ひとつの真理をものにするといっても、それをさまざまの知識や真理と結合し比較する必要があり、この手続きを経て初めて、自分自身の知識が完全な意味で獲得され、その知識を自由に駆使することができるからでである。
- 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤忍随
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
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